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しますと、お舅さんと私の母が顔を合わせますと、「孫はどうなってますのかなあ」「こればっかりは、仕方ありませんなあ」とこんな会話になります。あちこちの病院へ行ったり、神様にお願いしたりしました。でも恵まれません……。
母は思い切って役場の「何でも相談」へ行きました。そこで里親制度を知ったのです。登録したのは、昭和56年7月28日でした。最初、高田児童相談所の入口に入る時、ドキドキしました。里親としての自覚もなく、ただ、子どもが好きで、子どもが欲しいという願いだけでした。そして、奈良県には、子どもが少なく、大阪市中央児童相談所を紹介して頂きました。今日は子どもに会えるかしらと思っていても、風邪をひいて熱を出していたりで、なかなか、会うことが出来ません。
児童相談所の担当の人と乳児院へ行く電車の中で「施設の子どもって、どう思われますか」と尋ねられました。私は小学校で一緒に勉強したし、友達もいました。特別には、思っていなかったし、子どもに責任がないのにかわいそうだと思っていました。そして、相談所から子どもの写真を頂いて、喜んで話を進めておりました。
そんな時、お舅さんつまり祖父がガンに侵され始めていたのです。病院へ面会に行

 

 

 

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